シカゴGSB MBA J-Book

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J-Book 2007

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カリキュラム概論

LEAD

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ビッディングシステム

履修パターン

IMBA/IBEP

学習環境


General Management

通常、ジェネラル・マネジメントを得意とする学校では、細かい分野に分けることなく広くビジネスに関連する知識をカバーすること自体で“ジェネラル・マネジメント”という専攻を作っているようですが、GSBにおいては、Foundation及びBreadthを広く網羅すれば同様の内容を学ぶことになります。これらの基礎科目を幅広く履修のうえ、各自の専攻分野を固める方法をとればジェネラル・マネジメントの専攻となる訳です。(裏返せば、GSBでは、特定の分野に絞って徹底的に極めたいという人のニーズも許す自由度があるということです。)

Managerial and Organizational Behavior

企業の組織活動を心理学、社会学の観点も交えて展開するもので、他学校ではOrganizational Behaviorと呼ばれる科目に当たります。シカゴ大学は、この学問の発祥の地と言うことで、アカデミックな研究レベルも高い水準にあります。LEADはこの分野の導入にも当たりますが、それ以外にもテーマを決めていくつかのコースが設置されています。このうち38002、38001、39002、38003については選択必修になります。科目によりindividualかOrganizationのどちらに焦点をあてるかという点で違いがありますので、事前にカリキュラムガイドでの確認が必要です。

38001 Managing in Organization

LEADの延長上にあってマネジメントに必要なリーダーシップに関して、理論面でも解説を加えて理解を深めようと言うものです。題材は、個人、及び、集団における Decision Making Process や、マネジメントとしての組織の活性化などを取り上げ、講義とケースディスカッションで授業は構成されます。予習のリーディングは多量ですがアメリカ人の多くや日本人からも「新鮮な発見がある」という声が聞かれます。内容は、心理学、社会学的な現象分析が中心となりますが、グループコントロールの具体的なツールや、組織戦略立案の詳細などまでは深くは突っ込まないので、この分野に興味のある人は、テーマを絞って上級理論のクラス(38003、38103など)や、より実証的アプローチからリーダーシップを学ぶManagement Studiesの一分野(38110、38111など)までカバーした方がよいかもしれません。

38002 Managerial Decision Making

個人の Decision Making Processを心理学の側面から分析し、そのあるべき姿及び限界を学習します。又Quantitativeなアプローチを取ったDecision Making Treeや投資に関する人間の行動を分析したりします。 Thalerはこの分野の権威で人気があります。 Hseeは毎回心理学のクイズのような演習を行い、結構楽しめます。

  • ディシジョン・メイキングに関わるバイアスや心理的な背景を学ぶ。授業の最初に小クイズのようなものを出し、実際にクイズの中でバイアスを実現していく授業スタイルは分かりやすかった。通常、この授業は2年次でとられるのだと思うが、もしポイント等に余裕があれば1年次の早めにとっても有意義と思う。(Hsee, 2004 Spring)
  • これまで履修した中でのベストの一つ。内容についてはしばしば「心理的バイアスの紹介」程度に言われますが、実際の内容はもっと深く掘り下げられており、そうした心理をどう操っていくかのノウハウまで踏み込みます。(Wu, 2005 Summer)

39002 Network Structures of Effective Management

人脈がビジネスにもたらす価値について、人脈の構造分析を主体に勉強します。自分自身の人脈構成が客観的に見てどれだけの価値があるかを定量的に把握することができるようになり、価値を高めるための努力の方向性を理解できます。ワークロードはやや軽めなので、興味がある方は4科目目に履修すると良いと思います。

38110 The Practice of Leadership in Business38111 Theories in Leadership

ケースマテリアルに加え、実際にCEOとして活躍する人をゲストスピーカーとして迎え、リーダーシップのスタイルについて学んで行きます。理論的な分析も加えられますが、本コースではより実践的なテクニックを伝授することも目指しています。38110は Haas、38111は Zonis が担当しており、各々のフレームワークでリーダーシップの解説がなされます。両方とも学生による評価は高いようです。

38103 Strategies and Process of Negotiation

このコースでは、ビジネスにおける対外的な「交渉活動」というものに焦点を当てます。たとえば、「値段の交渉について、どういう進め方を行えばよいか」などの具体的事例を、理論の紹介とロールプレーによる体験を通じて分析していきます。Job interviewへの応用ができるとの声もあります。

  • 毎回ネゴシエーションの練習。二者間でパイを奪い合う交渉、パイを拡大する交渉、複数での交渉でのテクニックとその実践。ワークロードも軽く(600字のライトアップが3回、グループでのファイナルペーパー)、毎回の実際の交渉のあとのDebriefが非常に楽しくためになる。おすすめです。(Fishbach, 2004 Winter)


Strategic Management

GSBにおいて近年充実著しい分野です。産業の構造とトレンドを理解するインダストリー・アナリシス、いかにして競争力を生み出すかを理解する企業分析、この二つの要因をいかに融合させ、企業に高収益と長期的な競争力をもたらすかを理解する戦略分析などが中心的なテーマです。このほかにもスモール・ビジネスやニュー・ベンチャーのコースも人気があります。コンサルティング、マーケティングを目指す方はもとより、業界の分析手法などは金融関係の方にとっても活用できるコンセプトであるとの意見も聞かれます。このうち42002、39001、42001の3つのうち1つを選択必修として受講することになります。

42002は教授間の考え方の違いが大きく、学生の評価も様々です。39001の方がコース趣旨が明確で、よりオーガナイズされていると思います。39001では企業の成長過程におけるExternal要因(産業構造、その変化、業界の競争状態等)とInternal要因(組織、モチベーション、戦略、人事制度、企業文化)の分析と企業の長期戦略の理解を学びます。このコースをスタートとし各自の興味のある分野へ進んで行けば良いと思います。戦略系の方は42001 Competitive Strategy。Organization Behavior系の方は38001 Managing in OrganizationやHuman Resources Management系の科目。新規事業、ベンチャー企業の方には、34103 New Enterprise/Small Businessや34102 New Venture Strategyなどの科目があります。このほかGSBで学んだことを全て(LEADを含めて)活かせるビジネス・シュミレーションの42103 INTOPIAもあります。

42002 Business Policy

実際のケースを読みながら、産業・企業をマクロな視点から分析することを主眼としており、39001よりもConceptualで、39001、42001等で理論のフレームワークを勉強してからの受講が効果的です。内容はビジネス理論の詳細、適用というよりは、あくまで、CEOの観点からの問題提起が主眼です。よって、ジェネラル・マネジメントに高い関心を持つ人は、さらに上級のコースも受講すべきでしょう。なお、授業内容は講師のバックグラウントなどにより大きく異なるため、事前にコースガイドブックでよく調べる必要があります。違う教授であれば、2回まで登録可能です。

  • 最初のうちはあまりに内容が哲学的でなにか有効なツールを身につけるのは無理だなと感じました、しかしながら普段考えていることではあっても、自分にとって(ビジネスだけでなく人生にとって)何が重要か、などなど都度考えさせられ、またその考え方のフレームワークを学んだという気がしていて、結果的に非常に大きなTake Awayがあったと感じています。(Davis, 2004 Winter, SY)

39001 Strategy and Structure: Markets and Organizations

“Strategic Leadership” “Competitive Advantage” “Leveraged Advantage”, “Scope Of the Firm”の4つのモジュールから構成されています。”Strategic Leadership”では組織としての価値の創造という観点からケースを用いた分析を行います。”Competitive Advantage”では42001と同様にポーターの5つの力の他、PPM、Core Competence等を利用した分析を行います。”Leveraged Advantage”, ”Scope Of the Firm”ではM&Aやアライアンスを中心に戦略的な組織の構築と運営という観点からケースを用いた分析を行います。教授によりワークロードは異なりますがグループCase Write-Up、個人Case Write-Up及びグループプロジェクトが課されます。

  • Competitive Strategy が外部環境分析に主眼があるのに対し、本クラスは内部分析(Structure, Culture 等)と環境・戦略のFitが主眼。故に両コースとっても重複はほとんどない。寧ろ、Strategyを専攻するつもりなら是非お勧めする。授業は毎週ケース2本で、議論の内容が極めて深いため相当に読み込んでいかないとつらい。 Bothnerは授業初日に(3クラス)全ての生徒の名前を覚えている熱血漢で、コールドコールも多数。是非とって欲しいビジネススクールらしい授業。日本を扱うケースも多い。 (Bothner, 2004 Spring)
  • StrategyというとついPorterの5ForcesやSWOT AnalysisなどのExternal Contextばかりを考えがちだが、会社組織のStructureというInternal ContextをStrategyに合わせて整えることがいかに重要かじっくりと考えさせられる授業。コールドコールばりばりのケースディスカッションベースのクラス。Reading Materialsは少ないが、かなり読み込んで準備をしておかないとDiscussionについていけない。BothnerはとてもケースのHandlingがうまく、話の進め方にも工夫が凝らしてあり、3時間のクラスが短く感じた。(Bothner, 2005 Spring)  

42001 Competitive Strategy

ポーターのモデル及び33001で習った内容をもとに、ミクロベースでの企業戦略を約15〜20のケースを用いて分析します。ポーターのモデルは古典的な競争原理に基づくものであり、最新の理論までは授業でカバーされませんが、経営戦略の基礎的フレームワークを丁寧に教えてもらえます。コンサルティング方面を目指しているがこれまで余りバックグラウンドのない人や、他の専攻であるが、ポリシー系も少しかじっておきたいという人には適しているコースです。一年生のうちに採っておいてよい科目の一つでしょう。39001と比べると42001の方が理論重視で、きっちりとしたフレームワークを学ぶことが出来ます。42001が総論を中心としていて、もう少し各論を見たい方はさらに39001をとるのも良いかもしれません。

42110 Strategic Investment Decisions

Real OptionやDecision Tree, Scenario Analysisなど主に定量的な戦略論、戦略や事業投資評価方法を学びます。ファイナスとストラテジーの融合分野であり、また比較的新しい分野のためある程度基礎の戦略論とファイナンスを学んだ後でないと授業についていくのは難しいと思われますが、ひとつひとつのモデルや考え方は極めて奥深く、また定性的な議論となりがちな戦略分野において、定量分析やシナリオ分析を可能とする手法を教えてくれます。毎週のアサインメントでは実際のケースでモデルを回しケース・ライトアップをする必要があるためワークロードは比較的大きいです。

42103 Applied Strategic Management/INTOPIA

コンピュータを用いてのビジネスシミュレーション・ゲーム。仮想の会社をつくり、その経営を行ないます。1週間が会社経営の1四半期となっており、チームミーティングの後、週に1回経営全般についての意思決定をコンピュータに入力します。コンピュータでの擬似体験ですが、現実に起こる問題をよく現わしており、知らず知らずに皆熱中してしまいます。授業では特に経営理論について解説するわけではなく、むしろ各自やグループで考えた経営判断についてコメントが与えられるという内容。その意味で知識習得というよりは、実際のマネジメントの感覚をトレーニングするといったニュアンスが強いです。

39101 Technology Strategy

コース名通りテクノロジー関連企業(ハイテク、バイオのスタートアップ)やテクノロジーの変化に企業が戦略的にどう対応すべきかがテーマとなります。主なコンセプトとしてはS-Curve, Technology diffusion, Technological discontinuity*, Absorbing Capacity*, Complementary Assets*, Appropriability*, Intellectual property*, Core rigidity, Human network, Strategic Alliance, Network Externality等です。(*は特に重要なもの)授業のスタイルとしては、それぞれのトピックスに対してリーディング、それに応じたケースが週1〜2回アサインされディスカッションの後に教授のライトアップという形をとります。また、ゲストスピーカーがトピックやケース応じて招かれます。評価はクラス・パーティシペーションが35%、抜打ちのIn Class Case write-upが3回で15%、残りの50%がテクノロジー関連のスタートアップ企業のリサーチ(グループもしくは個人)でした。担当の Stuartは現役のリサーチャーで、実証学的なアプローチで定評があります。リサーチペーパーがリーディングでアサインされますが、統計の若干の知識があると有用です。また、バイオ、ハイテクの専門的知識は要求されませんが、知っていると理解が深まります。


以上、ジェネラル・マネジメント関連の科目は、ほとんどがケース形式で進められ、また、内容も概念的、或いは、非体系的なところも多く、数学なら負けない?日本人もなかなか苦戦することが多いと思います。しかし、ある意味では、それは正にビジネススクールにユニークな授業スタイルの典型ともいえるでしょう。また、Policy Studies の授業は、コンサルティングや、メーカーの方は当然、金融方面に進まれる方でも産業分析などの形で有用になると思われますので、是非、受講されることをお薦めします。


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